自分らしく働きたい。
働き方の選択肢が増えた今、「自分の好きなことを仕事にしたい」「時間や場所に縛られず、自由に働きたい」と思い描く方も多いのではないでしょうか?
好きなことに思いきり力を注げたり、自分に合う時間や場所を選べたりするのは、とっても素敵なことですよね。
それこそ、「自分らしく働く」ということだと思います。
ですが、自分にとって理想の仕事や自由な環境に、すぐにたどり着けるとは限りません。
好きなことを仕事にできたとしても、その仕事には、面倒に感じる準備や苦手な作業など、表からは見えない仕事も含まれています。
ときには壁にぶつかったり、時間や場所に制限がある中で頑張らなければならない時期もあるでしょう。
むしろ、好きなことを続け、望む自由を手に入れるためにこそ、そうした努力が必要になることもあると思います。
もちろん、心や身体を壊してまで、無理な状況に耐え続けることとはまったく別の話です。
私がこの記事でお話ししたいのは、理想の働き方へたどり着くまでの過程と、その働き方を自分の力でつくり、守り続けていくための仕事との向き合い方です。
自分の意思で目指す場所を決め、そのために必要な努力を選び、うまくいかないときには進み方を変える。
それができる人は、たとえ仕事や環境が変わっても、何度だって自分の力で前へ進める。私は、そんな人はとても強いし、きっと何だってできると思っています。
こんなことを言いつつ、実は私自身、長い間、自分に合う仕事も目指したい場所も分かりませんでした。
やりたいことも、なりたいものも分からないまま、そのとき目の前にあった仕事へ取り組むことしかできなかったんです。
それでも、さまざまな仕事を経験し、最終的には雇われる側と経営する側の両方を経験させてもらいました。
たくさんの失敗や後悔を重ねる中で、今はようやく、自分なりの答えを見つけられたと思っています。
この記事では、やりたいことが分からず「自分には何もない」と悩んでいた過去についても、正直に書きます。
また、責任ある役割を担い、自分なりに成果を重ねる一方で、その貢献に見合う報酬や、安心して休める環境を得られているとは感じられず、心身をすり減らした雇われ時代についてもお話しします。
そして、そんな私が経営者になった理由、経営者になって初めて分かった責任、大好きなBARを黒字のまま閉めた理由まで。
今の働き方や、これから進む道に迷っている方にも、経営者や指導者として日々人材育成に悩んでいる方にも、これからの仕事を考えるヒントになれば嬉しいです🌼
やりたいことが分からなくても、焦らなくていい
若いうちからやりたいことがはっきりしていて、目標に向かって進んでいる人もいます。
一方で、何がしたいのか、どこへ向かえばよいのか、なかなか答えを見つけられない人もいますよね。
私は、完全に後者でした。
周りが定職に就いたり、目標を持って進み始めたりする中で、私だけはずっと、自分がどこへ向かえばよいのか分かりませんでした。
目指す場所が分からないから、今何をすればよいのかも分からない。
「私には何もないのかもしれない」と、焦ったこともあります。
それでも生活は続くので、目の前にある、そのときの自分にできる仕事へ取り組んできました。
振り返ってみると、自分に合う仕事は、頭の中だけで考えて見つけたものではありません。
実際に働きながら、「これは楽しい」「ここは苦手」「こんなときに嬉しくなる」と感じた経験を集めるうちに、少しずつ見えてきたものです。
やりたいことが分からないときは、最初から正解を当てようとしなくてもいい。まず経験し、自分の心がどう動くのかを知ることも、立派な仕事探しだと思います。
自分を知るために、これまでの仕事を振り返る
やりたい仕事を考えるとき、職業名だけを探そうとすると難しく感じるかもしれません。
まずは、これまで経験した仕事や日常の中から、自分の気持ちが動いた場面を振り返ってみてください。
好きなことだけでなく、苦手なことや嫌だったことも、自分に合う働き方を知るための大切な材料になります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」でも、興味・仕事の価値観・能力の特徴・持ち運びできるスキルなど、複数の角度から仕事を考えられます。自分だけで整理するのが難しい場合は、こうしたツールも答えを決めてもらうためではなく、自分を知るきっかけとして使えます。
働きながら見つけた、私がやりがいを感じる仕事
私がやりたいのは、人に喜んでもらえることへ思いきり力を注ぎ、その結果としてお金をいただく仕事です。
これは、さまざまな仕事を経験する中で見つけた、私自身がやりがいを感じられる仕事です。
人によって、やりたい仕事も、心地よいと感じる働き方も違いますよね。
私の場合は、誰かの役に立てたと実感すると嬉しくなり、「もっと何かできないかな」と考えたくなります。
友人からは、自己犠牲タイプと言われたり、ヒーロータイプと言われたりしてきました。意味の振り幅がすごいですよね🤣
言い換えるなら、私は昔から、人に必要とされたり、頼られたりすることで力が湧くタイプなのだと思います。
営業の仕事は、頑張って出した成果が給与に反映され、上司から認められたり頼られたりすることが楽しかった。
反対に、事務や作業など、結果が見えにくい仕事には、あまり魅力を感じられませんでした。
運送の仕事をしていたこともあります。賃金は高くなかったけれど、荷物を届けたときに「ありがとう」と言ってもらえることが嬉しくて、好きな仕事のひとつでした🤣
そして夜の仕事では、目の前のお客様が喜んでくださる様子を、その場で感じられました。
一見すると違う仕事ですが、私が楽しいと感じた仕事には、いつも「自分の行動が誰かの喜びにつながる」という共通点があったんです。
やりたい仕事は、職業名ではなく、自分がどんなときにやりがいを感じるのかという共通点から見えてくることもあります。
自分らしく働ける力は、目の前の仕事でつくる
自分に合う仕事が見えても、すぐに理想の働き方が手に入るとは限りません。
仕事を選べるようになるには、任せてもらえる力や、価値を生み出したと示せる実績も必要です。
その力は、今いる場所で、目の前の仕事とどう向き合うかによって育てられると私は思っています。
がむしゃらに働くって、かっこいい
効率よく働くことが大切にされる今だからこそ、あえて言いたいことがあります。
私は、何かを叶えるために、がむしゃらに働く姿ってかっこいいと思っています。
ここでいう「がむしゃらに働く」とは、ただ長い時間働くことではありません。
目指す場所のために何が必要なのかを自分で考え、行動し、うまくいかなければ原因を探し、結果につながるまで試行錯誤することです。
私も、苦手な方を接客するときには、「この方にも気に入っていただけたら、私最強じゃない?」と考えて挑んでいました。笑
どうすれば心地よく過ごしてもらえるのかを考え、何度も向き合っているうちに、最初は苦手だと感じていた方と、とても仲良くなれたこともあります。
自分から本気で向き合う気持ちは、相手にも伝わるのかもしれません。
そうして夢中で働く中で、接客力やコミュニケーション力だけでなく、相手が求めているものに気づく力も身につきました。
お客様が鞄の中を探していたら、何を探しているのかを考え、「これかな」と思うものを先に差し出す。
接客中の会話からお客様の好みを知り、次に来てくださったときの接客へ生かす。
こうした小さな気づきの積み重ねが、相手の求めるものに応える力へ変わっていきました。
目の前の仕事へ本気で向き合った経験は、その職場を離れたあとも、自分の力として残ります。
何かを成し遂げるまで、余計なプライドはいらない
私は、何かを成し遂げるまで、余計なプライドなんていらないと思っています。
ここでいうプライドとは、自分の仕事に誇りを持つことや、自分自身の尊厳を守ることではありません。
「知らないと思われるのが恥ずかしい」「できない自分を見せたくない」「今さら人には聞けない」
そんなプライドで自分を守っても、成長する機会を失ってしまいますよね。
私には、そういう意味でのプライドがほとんどありませんでした。
分からなければ聞く。できなければ、できる人を見て覚える。自分より上手な人がいれば、素直に教えを乞う。
すでに経験を重ねている人から学べるのなら、それが成長へのいちばんの近道だと思うんです。
もちろん、自分では何も考えず、答えだけを求めることとは違います。
まずは自分で考えて挑戦し、分からないことを教わり、それを自分の力に変えていく。
できない自分を守るプライドは持たず、できるようになるためなら素直に人から教わる。それが、私なりのプライドでした。
長時間働くことと、一生懸命働くことは違う
長い時間働いたからといって、必ずしも一生懸命働いたことにも、大きな成果を出したことにもなりません。
同じ質の仕事なら、短い時間で終えられるほうが効率的です。そこで生まれた時間を別の仕事へ使えれば、会社やお客様へ届けられる価値も増えますよね。
もちろん、慣れないうちは時間がかかることもあります。大切なのは、時間をかけた事実だけで評価を求めるのではなく、「次はどうすれば、同じ質を保ちながら早くできるか」まで考え、改善することです。
一方で雇う側にも、増えた成果や担えるようになった役割を、昇給や歩合などへきちんと反映できる仕組みをつくる責任があります。
一生懸命働くとは、ただ長く職場にいることではなく、限られた時間の中で、求められる成果へつなげるために考え、行動することだと思います。
頑張った時間ではなく、届けた価値を実績にする
ここからは、少し厳しい話をします。
一生懸命頑張ったからといって、仕事で必ず評価されるとは限りません。
頑張った過程そのものが無意味なわけではありません。新しいことへ挑戦した経験や、できなかったことができるようになった事実は、自分の中に残ります。
ただ、「頑張ったことを認めてもらいたい」という気持ちと、給与や昇給などの仕事上の評価は、分けて考える必要があります。
仕事上の評価では、本人がどれだけ頑張ったと感じているかだけでなく、その行動が会社やお客様へどんな価値を届けたのかも重要になるからです。
自分の中では頑張っているつもりでも、求められている成果と方向がずれていれば、雇う側には評価しにくいでしょう。
昇給や歩合といった追加の評価を求めるなら、「何をどれだけ頑張ったか」だけでなく、「どんな成果や価値を生み出したか」を示す必要があります。
決められた時間に来て、任された仕事をきちんと行い、約束を守る。
これは、働く側として果たすべき基本的な責任です。
もちろん、売上へ直接つながる仕事だけが価値ではありません。仕事の質を上げる、無駄を減らす、事故を防ぐ、お客様の満足度を高める、周りが働きやすい状態をつくることも、会社を支える大切な成果です。
そのうえで昇給や歩合を望むなら、上司や会社、お客様が必要としているものを考え、よりよい結果につながる提案や行動を増やしていく。
勝手に進めると問題になる仕事もあるので、実行する前に「こうしてみるのはどうでしょうか?」と提案するだけでもいいと思います。
BARでドリンクを作ることは、任された仕事のひとつです。
そこから、お客様が氷を多めに入れるのが好きだったことを覚えておく。煙草を吸われる方へ必要なものを先に用意する。好みに合いそうなものがあれば提案する。
お金をかけなくても、相手をよく知り、喜んでもらうためにできることはたくさんあります。
対人の仕事でなくても同じです。自分が向き合っている仕事をよく知り、何を求められているのかを理解し、どうすればよりよい結果にできるのかを考える。
評価される努力が分からないのなら、考える。それでも分からなければ、聞く。時間という自分の命を使うからこそ、努力する方向まで自分で確かめることが大切です。
頑張っても評価されないときに確認したいこと
「こんなに頑張っているのに評価されない」と感じたときには、感情だけで結論を出す前に、次のことを確認してみてください。
ここまで行動し、明確な実績もあるのに評価されないのなら、話は変わります。
その会社には明確な評価基準がない、あるいは、制度があっても適切に運用されていない可能性があります。
まずは成果を示して話し合う。それでも変わらないのなら、自分の実績や身につけた力を整理し、転職や独立などの選択肢を考える。
自分が頑張る方向を見直すことも、働く環境を選び直すことも、自分の人生に責任を持つ行動です。
成長につながる努力と、自分をすり減らす自己犠牲
私は努力することを大切にしていますが、頑張れば頑張るほどよいとは思っていません。
雇われていた頃の私は、結果を出すほど、さらに大きな役割を求められるようになりました。
自分なりに成果を重ねても、担う責任と待遇が見合っているとは感じられず、休むことにも不安がありました。
「休んでも大丈夫」と安心できる環境ではなかったため、私は怖くてなかなか休めなかったんです。
もともと、人に必要とされると頑張れてしまうタイプの私は、期待に応えたい気持ちが強く、自分でも気づかないうちに限界を越えて抱え込んでいました。
それでも続けられたのは、お客様、友人、一緒に働いたスタッフなど、応援してくれる方々がいたからです。
今思い出しても泣けてしまうくらい、たくさんの方に支えていただきました。
そして私は、悪いときに辞めたくありませんでした。
最後まで「あちもん、やっぱりかっこいいね」と言ってもらえる自分でいたくて、いいときに辞めようと決めていました。
「誰かに言われなくても、自分のために選ぶか」を考える
では、成長につながる努力と、自分をすり減らす自己犠牲は、どう見分ければよいのでしょうか?
私は、「誰かに言われなくても、自分の未来のために選びたいと思えるか」を、一つの判断基準にしています。
雇われていた頃、私は二度のBARの立ち上げに携わりました。しかし当時は、自分で選んでいるというより、やらされている感覚が強く、担った役割や成果に対して、報酬も十分に見合っているとは感じていませんでした。
それでも、のちに自分のBARを開いたとき、その経験が大きな力になりました。何が必要なのかが分かっていたため、初めての開業でも迷わず準備を進められたんです。
どんな経験からも、得られるものはあると思います。ただ、そこで得たものを次へ生かさず、目的もないまま耐え続ければ、費やした時間は未来への投資ではなく、自分をすり減らす犠牲になってしまいます。
だからこそ今は、誰かに言われたからでも、褒められるためでもなく、自分の未来のために、自分で考え、自分で決断して進みたいと思っています。
身体に不調が出たら、一度立ち止まる
身体に不調が出たら、辞めるかどうかをすぐに決められなくても、一度休んで考えるべきだと思います。
そして、その職場に本当に休める環境があるのかも見てください。
「あなたの代わりがいない」という状態は、頼られている喜びがある反面、大きな負担にもなります。
誰か一人が倒れたら仕事が回らなくなる状態を避け、休める仕組みを整えることは、雇われる側だけが背負う責任ではありません。雇う側にとっても、事業を守るために必要な準備です。
また、「ここにいても成長できない」「自分が目指す場所へつながらない」と明確に分かったときも、次を考えるタイミングです。
お世話になった会社へ申し訳ないと思うかもしれません。途中で投げ出すような気持ちになる人もいるでしょう。
けれど、自分の人生を生きる責任は自分にあります。会社を継続させる責任まで、雇われる側が背負う必要はありません。
自分でBARを経営して知った、自由と責任
私は最初から、経営者になりたいと思っていたわけではありません。
雇われていた頃から仕事の多くを任せてもらっていたので、「これだけ自分でやっているなら、自分の店を持つことと何が違うんだろう?」と思ったことはありました。
それでも、本当に店を出すことになるとは思っていなかったんです。笑
雇われていた店を辞めたあとも、大切なお客様やスタッフが応援してくださっていました。
「これだけ応援してくれる方々がいるのに、このまま終われない」
そう思っていたとき、お世話になった社長が背中を押してくださり、自分のBAR「Baby」を開くことになりました。
以前一緒に働いていたスタッフたちも、それぞれが自分の意思で前の職場を退職したあと、新たな働く場所としてBabyを選び、再び集まってくれました。
こうなったらもう、やるしかないですよね🤣
最初は立派なコンセプトもなく、「コンセプトは私です!」というような状態。
今振り返ると、あまりにも無鉄砲で無計画ですよね。笑
本当にすみませんでした🤣
それでも、お客様方は変わらず応援してくださいました。
だからこそ、未熟な私やお店を応援しに来てくださる方には、支払っていただく金額以上の価値を感じてもらい、笑顔で帰っていただきたい。
その気持ちだけは、最初から最後まで変わりませんでした。

※Babyのオープン直前にスタッフへ送った当時の決意表明LINE
「自分ならできる」と思っていた私が、経営で知った責任
経営者になって、雇われていた頃といちばん変わったものは、責任感です。
当たり前ですが、最終的な責任はすべて自分にあります。
雇われていた頃は、「私、自分でできるんじゃない?」と思っていました。
でも実際は、想像していたより、はるかに大変でした。調子に乗るな!と、当時の自分に言いたいです🤣
売上が足りなければ、自分がどうにかする。問題が起これば、最後は自分が判断する。その一つひとつの判断が店全体の方向を決め、お店のイメージにも、スタッフの生活にも影響する。
仕事や働き方を選べる自由が増えた分、自分で引き受ける責任も大きくなりました。
独立や開業は、自由になるためのゴールではなく、自分ですべてを選び、その結果へ責任を持つ生活の始まりです。
だから私は、「会社員は自由がないから」という理由だけで独立したい人の背中を、簡単には押せません。
自由な働き方を選べる部分は確かにあります。ただ、選択肢が増えるほど、自分で考え、決め、やらなければならないことも増えます。
「独立」「起業」「開店」という言葉はかっこよく聞こえますが、そこから毎日、毎月、毎年、続けていかなければなりません。
人を雇えば、自分だけの会社でもなくなります。簡単に「やっぱり辞めた」と言えない責任も生まれます。
自由だけを求めるなら、自由度の高い会社へ勤めるほうが、自分に合う場合もあると思います。
それでも、自分で実現したいことがあり、そのための責任まで引き受けたいと思えるなら、独立は大きな可能性を持つ選択です。
私自身も、大変さや責任まで含めて、自分で選んだ仕事なのだと受け入れてからは、毎日がとても楽しく、やりがいのあるものになりました❤️🔥
雇う側になって気づいた、経営者の責任
私は経営者として、本当に未熟だったと思います。
できていたかどうかは別として、前の職場で自分が苦しかったことだけは、スタッフに繰り返したくありませんでした。
雇われていた頃、上司が現場で働く私たちに寄り添ってくれているとは感じられず、自分の働きや成果も十分に見てもらえていないと感じていました。
だからこそ、スタッフには同じ思いをさせたくなくて、私はできる限り毎日現場に立ちました。
もともと、「背中で見せるもの」という考えも強かったんです。笑
生み出してくれた成果や価値は、きちんと評価し、還元したい。仕事の話だけでなく、一人ひとりを知るための時間もつくりたい。成長する機会は、できる限り等しく渡したい。
そう考えて、みんなと食事に行ったり、できるだけ近くで話を聞いたりしていました。
スタッフから「あちもんさんのために働きます」と言ってもらったこともあります。
もちろん嬉しかったけれど、そのたびに「私のためではなく、自分のために考えて」と話していました。
自分がこれからどうなりたいのかを考え、そのためにBabyで働くことを選んでくれたのなら嬉しい。自分で選んだ仕事だからこそ、任されたことにも責任を持てると思ったからです。
それでも、実際には十分ではありませんでした。
もっとみんなを頼ればよかった。本当に伝えたいことを、どう受け取られるか心配して言えなかった。伝え方を間違えた。
スタッフに対しては、今でも後悔がたくさんあります。
特に大きかったのは、始める前に評価や役割の仕組みを十分につくれなかったことです。
何をすれば歩合につながるのか。どの成果や役割を担えば昇給するのか。売上がいくらなら、どのように評価するのか。
これらを明確にしていなければ、経営者とスタッフの考えがぶつかったとき、何を基準に判断すればよいのかが曖昧になり、双方が納得できる話し合いも難しくなります。
経営者と従業員では、見えている範囲も、背負っている責任も違います。その違いがあるからこそ、気持ちだけに頼らず、共通の基準で話せる仕組みが必要でした。
もし今後また人を雇うなら、次のことは最初に明確にしたいと思っています。
利益や価値を生み出してくれた人には、正当な対価を支払いたい。
そして、仕事や稼いだお金は、その人の人生を豊かにするものであってほしい。
事業として継続できる範囲を考える必要はありますが、スタッフの経験や将来の選択肢を狭めるような会社にはしたくありません。
働く側が責任を持つことと、雇う側が働く環境や評価の仕組みを整えること。その両方があって、初めて同じ目標へ向かえるのだと思います。
「寝て起きてから寝るまでBabyをやる」と決めた
Babyを始めるとき、お世話になっている社長から教えていただいた、今でも忘れられない話があります。
経営者には、いくつかのフェーズがある。
最初は「よろしくお願いします」と頭を下げ、周りに支えてもらいながら必死に頑張る時期。
少しずつうまくいくようになると、今度は嫉妬されることもある。それでも結果を出し続け、仕事が軌道に乗れば、やがて尊敬されるようになる。
けれど、その先には二つの道がある。
うまくいったことで調子に乗り、謙虚さや感謝を忘れれば、そこから落ちていく。
反対に、周りへの感謝を忘れず、謙虚に努力を続けられれば、その場所に立ち続けられる。
そんなお話でした。
そして、もう一ついただいた言葉があります。
その言葉を、私なりにまとめると次のような内容でした。
理想の社長なら、朝起きて一番に何を考え、何をするのか。寝る前には何を思うのか。自分が理想とする社長を、寝て起きてから寝る瞬間までやるんだよ。
その言葉をいただいてから、私は「寝て起きてから寝るまで、あちもんべいびーをやる」と決めました。

どれだけ飲んでも午前中には起きて、仕事に抜かりがないよう準備する。
お客様への感謝と愛情を忘れず、毎日明るくお店に立つ。
そして眠るときには、「今日も幸せだった」と思える自分でいる。
それを毎日続けているうちに、理想としていた自分が、少しずつ本当の自分になっていきました。
もちろん、感謝してさえいれば、何もしなくてもお店が黒字になるわけではありません。
けれど、感謝していたからこそ、来てくださることを当たり前だと思わず、どうすればもっと楽しんで帰っていただけるのかを毎日考え、行動し続けました。
感謝を、ただ心の中で思うだけではなく、準備や接客、サービスという形にしてお返しする。
その積み重ねがお客様やスタッフとの信頼につながり、結果として、Babyを最後まで黒字で続けさせてもらえたのだと思っています。
お客様が、大切な時間と働いて得たお金を使って会いに来てくださる。
スタッフが、数あるお店の中からBabyを選び、一緒に働いてくれる。
友人や周りの方々が、私とお店を応援してくれる。
その一つひとつを、決して当たり前だと思わないこと。
仕事がうまくいっているときほど、それが自分一人の力ではないことを忘れない。
それは、もし私がもう一度経営者になるときにも、絶対に持ち続けたい姿勢です。
大好きなBabyを、黒字のまま閉めた理由
Babyは、私にとって本当に大切な存在でした。
私に向いている仕事であり、天職だったと思っています。Babyをやって、本当によかったと心から思います。
ただ実は、最初から「いつか自分のBARを持ちたい」と思い描いて始めた夢ではありませんでした。
たまたまBARで働くことになり、たくさんのご縁と経験がつながって、自分の店を持つことになったんです。
始まりは偶然に近かったけれど、お客様やスタッフと過ごすうちに、Babyは私にとって、かけがえのない仕事になっていきました。
一方で、夜の仕事を始めた頃から、漠然と「30歳になったら夜の仕事を辞めたい」という気持ちがありました。
毎日現場に立ち、お酒を飲み続ける生活に、身体への不安も感じていたからかもしれません。
何より、目の前の仕事に全力を注ぐ毎日では、その先に自分が何をしたいのかを、立ち止まって考える時間がほとんどありませんでした。
決して、Babyが嫌になったわけではありません。
むしろ、お客様が大好きで、このままなら80歳まで続けられてしまいそうなくらい毎日が楽しい仕事だと本気で思っていました。笑
でも、だからこそ、30歳という節目に、一度自分の意思で区切りをつけることを決断しました。
続けられないから辞めるのではなく、Babyの先にある自分の人生と向き合い、次に何をしたいのかを見極めたかったんです。
Babyを閉め、立ち止まって考える時間ができた今、少しずつ次にやりたいことが見えてきました。
お客様へ楽しい時間を届けるだけでなく、これからは、心や身体の健康まで含めて役に立てることはないだろうか。
一生を通して、私と知り合ってくださった方のためになることをしたい。
今は、そんな仕事をつくりたいと考えています。
Babyを閉めたことに、後悔はありません。
毎日本当に全力だったから、「やりきった」と思えています。
みんなに会える場所がなくなった寂しさはあります。それでも、一緒に過ごした時間と、身につけた力は私の中に残っています。
今でも当時のお客様や友人と交流があり、「あんな店はほかになかった」と言っていただけることが、私の誇りです✨️
続けようと思えば続けられる仕事に、あえて区切りをつけることも、自分らしく働くための選択です。
もしすべての記憶を持ったまま過去へ戻っても、私はもう一度Babyをやります。
そして、同じように全力でやりきったあと、また次の道を選ぶと思います。
方向転換しても、成功するまで終わりにしなければいい
私は昔から、「成功するまで諦めないから、失敗はない」と考えています。
これは、同じ方法へ固執し、何があっても辞めてはいけないという意味ではありません。
途中で辞めてもいい。方向転換してもいい。
うまくいかなかった経験から学び、自分が成功だと思える場所へたどり着くまで、次の行動へつなげればいいんです。
「失敗は成功のもと」といいますよね。
失敗したと思ったまま終えれば、失敗のままかもしれません。
けれど人生が続く限り、その経験を次の成功のもとへ変えることはできます。
大切なのは、一つの場所へしがみつくことではなく、経験を持って次へ進み、自分なりの成功へ軌道修正し続けることです。
今は、経験を誰かへ届けることを仕事にしたい
今、私はブログへ取り組んでいます。
これまでの人生を振り返ると、若いうちから本当にたくさんの経験をさせていただきました。
東京へ出た頃、友人から「本を書けるよ!」と言われたことがあるくらい、なかなか波乱万丈でした。笑
当時から、いつか自分の経験が誰かの役に立てばいいなと思っていました。
お店を経営していた頃も、その思いはありました。
でも、お店に立っているときには、苦しいことやうまくいかないことを、何でも正直には言えません。
私は、明るく元気なことが自分の基本的なキャラクターだという自覚もあり、身体がしんどいときや苦しい場面も、できる限り見せないようにしていました。
だから、いつかよかったことも悪かったことも、失敗や後悔まで含めて、誰かの役に立つ形で発信したいと思っていたんです。
今、ようやくそれを始めています。
私の考えが、すべての人にそのまま当てはまるとは思っていません。
それでも、私がたくさんの方の価値観や意見を取り入れ、試行錯誤しながら成長してきたように、私の経験にも、誰かが前へ進むためのヒントがあるかもしれません。
だから私は、誰かのためになる発信を、これからも続けていきたいと思っています。
自分と周りを豊かにし続ける仕事をつくりたい
将来の選択肢の一つとして、食や健康に関わる事業も形にできたらと考えています。
もし実現できたなら、一人ひとりの個性や考え方は違っても、「人を健康に、豊かに、幸せにしたい」という目標を共有できる仲間と仕事がしたいです。
そんな仲間が集まり、それぞれが自分の力を発揮できるチームになったら、最強ですよね✨️
事業を通して届けたいもの
食や健康を通して、より多くの方の心と身体の健康や、毎日の幸せにつながるものを届けたいと思っています。
そして、一つの商品やサービスだけにとどまらず、商品開発や発信などを通して、届けられる価値を少しずつ広げていきたいです。
会社やチームとして大切にしたいこと
事業の内容だけでなく、会社やチームのあり方についても、大切にしたいことがあります。
- 私が年齢を重ねたり体調を崩したりしても、スタッフやお客様を困らせることなく事業を続けられる仕組みをつくる
- 一緒に働く人が指示を待つだけでなく、自分で考え、力を発揮できる環境をつくる
- 働いてくれたことへの正当な対価を支払い、生み出してくれた利益や価値を評価へ反映する
- きちんと休み、新しい経験ができる時間をつくり、その人の将来の選択肢を増やす
私自身も現場とのつながりを大切にしながら、商品開発や発信、さらに新しい事業を考える仕事にも力を注げる状態をつくりたいです。
もちろん、簡単に実現できるとは思っていません。事業として無理なく継続できることも考えながら、一つずつ必要な仕組みをつくっていきたいと思っています。
仕事も、そこで得たお金も、自分の人生を豊かにするためのものであってほしい。
私も一緒に働く人も、仕事だけに人生を支配されず、仕事を通して人生の可能性を広げられる会社が理想です。
仕事を通して豊かにしたい毎日については、「暮らしを楽しむ」の記事でもお話ししています。特別な予定がない日も、自分の好きなことを大切にしていきたいです。
私にとって仕事で成功するということ
もちろん、たくさん稼ぐことも大切です。
でも、私にとっての成功は、一度大きな利益を生み出すことだけではありません。
途中でつまずいたときには進み方を見直しながら、自分と関わった人の人生を豊かにし、それを続けていくこと。
自分と周りを豊かにしながら、事業も長く続けられること。それが、今の私にとっての仕事での成功です。
自分らしく働くために、今日からできること
自分らしく働きたいからといって、今すぐ仕事を辞めたり、独立したりする必要があるとは限りません。
まずは、今いる場所で自分を知り、力と実績を増やしながら、次の選択肢をつくることから始められます。
- 自分が心を動かされた仕事の場面を書き出す
楽しかったこと、喜ばれたこと、苦しかったことを具体的に振り返ります。 - 理想の働き方に必要な条件へ優先順位をつける
仕事内容・収入・時間・場所・人間関係など、全部ではなく今の自分が大切にしたいものから考えます。 - 今の仕事で求められている成果を確認する
分からなければ上司へ聞き、努力する方向を明確にします。 - 自分の成果や身についた力を記録する
売上・件数・改善したこと・喜ばれたことなどを、あとから説明できる形で残します。 - 分からないことは、できる人から素直に教わる
まず自分で考えて挑戦し、教わったことを次から自分でできる力へ変えます。 - 努力が未来につながっているか定期的に見直す
経験や実績が残っているか、心身をすり減らすだけになっていないかを確認します。 - 必要なら環境を選び直す
成果を伝えても正当に評価されない、休めない、目指す未来につながらない場合は、転職や独立も含めて次の道を考えます。
やりたいことは、最初から明確でなくても大丈夫です。
私も、何になりたいのか分からないところから始まりました。
目の前の仕事へ取り組み、喜びや違和感を知り、できることを増やし、ときには失敗しながら進んできました。
その一つひとつが、自分に合う仕事と、これから目指したい場所を教えてくれたのだと思います。
自分らしく働くために必要なのは、最初から完璧な答えを持っていることではありません。
自分を知り、目指す場所を考え、そこへ近づくために必要なことへ向き合う。そして、違うと思ったときには、自分の意思で進む方向を変える。
そうやって自分で選べる力を育てていくことが、自分らしく働ける未来につながるのだと思います。
最後に、あなたにも考えてみてほしいことがあります。
すぐに答えが出なくても大丈夫です。
まずは一つだけでも、自分の気持ちを書き出してみてください。
この記事が、あなたが自分らしく働ける未来へ向かうための、最初の一歩を選ぶきっかけになれば嬉しいです🌼



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